東洋紡・中期戦略、パラダイムシフト急ぐ
2008年07月17日 17:32 |
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東洋紡は08年度からスタートさせた新しい中期3か年計画を通じ成長力の再構築と取り組んでいる。「この時期に仕込みをしたかしないかが今後の企業間の成長力格差を決める」(坂元龍三社長)と見ており、中計では成長の原動力に位置づけるスペシャルティ(SP)事業への重点投資とともに、次代を担う新規事業創出のための研究開発投資を加速し、10年度以降の事業拡大に弾みをつけたい考えだ。
東洋紡は08年度からの中期3か年計画を通じ、連結業績を07年度の売上高4314億円/営業利益271億円から10年度には4600億円/300億円に引き上げる。この間の歴史的な原燃料高騰に伴うコストアップ、原材料費高騰による製品価格上昇がもたらす世界的な消費低迷といった環境の激変を踏まえ、「当社もパラダイムシフトを急がなければならない」(坂元社長)との認識だ。
東洋紡はすでにSP事業における好不調を発生させている。このため、これまで全方位型の拡大策を講じてきたSP事業における選択と集中を07年度末で完了させている。
08年度からは、エレクトロニクス材料、アクア膜、バイオ・医薬などの次代を担う事業、工業用フィルム、スーパー繊維「ダイニーマ」などの高成長事業、エアバッグ、機能フィルターなどの拡大事業--の3セグメントに経営資源を集中的に配分し、「10年度以降の本格的な業績反転」(同)につなげる。
次代を担う事業に位置づける次世代電子材料向けポリイミド系フィルム「ゼノマックス」の事業化を急いでおり、先に総合研究所にパイロットプラントを導入。数十社へのサンプル出しと取り組んでおり、09年4月からの量産を計画する。
アクア膜事業では、中東における海水淡水化装置で60%のシェアを確保しているといい、今後は中国や欧米への販路拡大を強化する。
また、中空糸膜の応用展開として、上下水道などの水処理関連分野に参入するための装置をエンジニアリングメーカーと共同開発中。
繊維事業においては、スーパー繊維「ダイニーマ」やエアバッグ用ナイロン66といった産業資材を担当する産業マテリアル部門において拡大戦略を続行する。
「ダイニーマ」で年産3200㌧に倍増設する設備投資と取り組んでいるほか、エアバッグでは現行の年産1万3000㌧を10年度をめどに1万7000㌧体制へと増強する。
これを超える増設については、自動車メーカーのグローバル化の進展などを見極めた上で、自社で行うか、他社とのアライアンスで行うかを08年度中に決める。
東洋紡は自動車関連分野を戦略的拡大用途に位置づけている。全社横断型で自動車関連資材を自動車メーカーに提案する総合プレゼンを数回、実施。今後も高機能型商材に絞り込んだアプローチを強化しグループトータルで自動車関連資材事業の拡大を目指す。
一方、衣料繊維事業においては、構造改善の第1弾として東洋紡の旧繊維事業本部と新興産業の大半を合体させた東洋紡STCを設立。東洋紡が強化してきた高付加価値の物作りと商社ならではの販売力とを合体させた新しいビジネスモデルの具体化を目指す。
東洋紡はこれまで効率化、スリム化によるグループ会社の構造改善を進めてきた。東洋紡STCの設立を複数子会社の統合で構造改善を目指す新しい手法に位置づけており、同様の取り組みを縫製子会社などへも広げ衣料繊維事業トータルの収益改善を考えている。












