AFFベトナム大会で講演 「まとふ」の堀畑・関口氏

2009年11月27日 16:00

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2009年11月27日 16:00
 AFF(アジアファッション連合会)ベトナム大会が去る11月21、22日にハノイで開かれた。セミナーで講演し、参加者の共感を呼んだ「まとふ」デザイナーの堀畑裕之・関口真希子氏の講演要旨は次の通り。

 この10年、私たちはかつて想像しなかったようなグローバル化の世界に生きている。産業構造は多国間の流通がなければ成立しなくなってきたし、流行する文化やファッション、あらゆる情報も世界同時的に発信され、消費されている。

 世界は狭くなった。いま最も流行っているファッションのスタイルやお店を世界のどこにいてもコンピューターひとつあれば知ることができる。これは、すばらしいことのように思えるが、同時に「文化や情報の均質化・画一化」という退屈な危機を含んでいる。

 ファッションデザインの分野では、もうひとつの危機が付加される。長い歴史の中で培われてきた伝統的な織物、染め、装飾、それに伴う美意識の衰退という危機だ。なぜなら近代化という私たちの目指してきた方向性が、同時に「欧米化」という方向性とほとんど同一だから。

 ファッションの中心は、その脈絡からいえば、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークにあり、そのコレクションのトレンドがファッションそのものの世界的な流れを決定する。ファッションの専門学校でも教えられるのは西洋の服飾の歴史であり、パターンや縫製テクニック。スーツやドレスは、「当たり前」であり、普通のことで伝統衣装を着ている人はマイノリティーだ。

 オリジナルは西洋にある。それを正確に写し、アレンジし、トレンドに合わせるのがアジアのデザイナーに課せられた見えない課題だが、本当にそうか?

 オリジナルなファッションの創造に欠かせないもの、それは「オリジン」だ。オリジンとは数千年かけて先祖が作り続けてきた服飾文化全般のこと。その土地固有の織物、染め、アクセサリーは、オリジナルな「美意識」のうえに長い時間をかけて作り上げてきた大切な遺産だ。

 私たちはいまこそ、その国固有の「美意識」を再認識すべきだと考えている。文化が均質化してゆくグローバルの時代に人々が必要とし、好奇心をかりたてられるのはオリジナルでローカルな文化と美意識だ。それをいかにして同時代の服として新鮮な創造ができるかが、これからのデザイナーに求められている。

 私たちは伝統的な民族衣装を復活させようという保守的な意見を述べているのではない。逆に、文化的な遺産を学びなおしながら、西洋の模倣ではない、自分たちにしかできないファッション創造を模索していきたいと思っている。

 今だからこそ、私たちは世界市民でありながらも、オリジンに深い敬意と深い関心を支払うべきだと思う。



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